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まぶしい、目を開けていられない、目が乾燥するといった症状が続く場合、眼瞼(がんけん)けいれんという病気かもしれない。兵庫医科大学(兵庫県西宮市)神経眼科治療学の三村治特任教授は「ドライアイと症状が似ているため診断が困難です。ドライアイの治療を受けていても症状が改善しないようであれば、詳しい検査を受ける必要があるでしょう」と話す。
日常生活を送る上で、大きな不安に
▽薬の副作用も一因
眼瞼けいれんは、目を閉じる眼輪筋という筋肉が自分の意志とは関係のないけいれんによって収縮する病気だ。まぶたが勝手に閉じる、目を開けにくい、まばたきが増えるなどの症状が表れる。視力は影響を受けないものの、ほっておくと目が開けていられなくなることから「失明状態」に陥ることもある。
「自動車の運転中に急にまぶたが閉じて、事故を起こしてしまったといって受診されるケースが少なくありません。患者さんにとって日常生活での不安が非常に大きいのです」と三村特任教授。
眼瞼けいれん患者の多くは50~60代の女性だが、20代の女性も少なくないという。多くの場合は原因不明だが、20代の女性では、抗不安薬や睡眠薬を常用し、その副作用で発症するケースもある。
▽ボツリヌス療法が有効
眼瞼けいれんの検査では、できるだけ速くまばたきを繰り返す、メトロノームなどの合図に合わせてまばたきをする、できるだけ強く眼を閉じてまた開く、などの瞬目テストを行う。眼瞼けいれんの場合、素早く瞬きをしようとしてもゆっくりとしかできなかったり、目を開けていられないほどのけいれんが誘発されたりする。
治療は、青い光を遮断する医療用の遮光眼鏡を掛けてまぶしさを軽減させたり、クラッチというまぶたを押し上げる支えの付いた眼鏡を掛けたりして、まぶたが開くのを補助する。
また「ボツリヌス療法」といって、眼輪筋にボツリヌス菌が作る毒素を注射し、筋肉をまひさせることで症状を軽くする方法もある。治療時間は左右のまぶたで10分ほど。治療効果は3~4カ月持続し、8割の患者で症状が改善されるという。注射は年に3、4回受ける必要があるが、眼輪筋の一部を切除する手術を受ければ注射の回数を減らすことができる。
「睡眠薬などの副作用による薬剤性の場合は、薬の変更で症状が改善される場合もあります。ドライアイだと自己判断せずに、症状が続くようなら眼科を受診してください」と三村特任教授は勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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