こちら診察室 タンパク質にまつわる栄養の話

サプリメントは必要か?
~さまざまな形態で流通~ 第8回

1カ月程度の平均摂取量で評価する

1カ月程度の平均摂取量で評価する

 ◇1カ月の平均摂取量で考える

 これまでにも紹介してきましたが、表2に不足しないためのタンパク質摂取量について、「食事摂取基準(2020年版)」から抜粋しました。それぞれの世代に示されている量は、欠食することなく3食をきちんと食べ、毎食、主菜(肉、魚、卵、大豆製品など、タンパク質源を主としたおかず)を取り入れていれば、極端に下回ることはないはずの量です。また、食事摂取基準の考え方として、1日の摂取量の評価で一喜一憂することなく、おおむね1カ月程度の平均で評価することを推奨しています。そのため、ある1日にタンパク質源を食べられなかったからといって、「すぐさま不足してしまう」と考える必要はありません。タンパク質源が多い日も少ない日もある、1カ月程度の間の平均的摂取量が表の値を超えていれば、サプリメントを摂取する必要はないでしょう。

 ◇要不要を検討する

 一方で、病気の影響や健康状態が悪いなど、何らかの理由によって食事の摂取量が減少してしまっている場合は、タンパク質が強化された食品の摂取をお勧めします。最近では、食事摂取量の少ない高齢者の方へは積極的な利用を勧めるケースもあります。

 以上のように、タンパク質に関する商品は、プロテイン、ペプチド、アミノ酸として含まれる食品や形態が多岐にわたって存在します。これらを正しく認識した上で、本当に必要なのか、必要ではないのかをきちんと検討することが大切だと思います。(了)

 今村佳代子(いまむら・かよこ)
 管理栄養士・公認スポーツ栄養士。鹿児島純心大学・看護栄養学部健康栄養学科准教授。日本女子大学家政学部食物学科卒業。病院勤務を経て同大学大学院修士課程修了。現在は大学で管理栄養士養成に従事する傍ら、高校生・大学生アスリートへ栄養サポートを実施する。Webサイト「アスレシピ(日刊スポーツ新聞社)」に『KAGOSHIMA×食』グループでコラム・レシピを執筆。


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