のどの病気の注意点 家庭の医学

 発熱、痛み、たん、せき、はれ、声がれ(嗄声〈させい〉)、呼吸困難の原因でいちばん多いのは炎症です。したがって、これらの症状が出たときには、入浴やシャワー・洗髪、飲酒、喫煙、運動など炎症をさらに悪化させる行為は避けましょう。
 また、軽度のかぜで薬局の薬で症状が消えても、原因の炎症のもとの治療にはなっていません。長びかせたり悪化させたりしないように、「週末ゆっくり寝るからいい」などと考えず、仕事や勉強の効率化を図るためにも、ぜひ医師の診察を受けてください。

■救急、夜間休日診療
 救急でいかなる時間帯でも専門医の受診をすすめる病態があります。耳鼻咽喉科の救急で命にかかわるものは、のどに物がつまった場合などの異物と呼吸困難です。
 異物はあらゆる症状で発現しますし、呼吸困難(窒息)はすべての疾患で起こりうる症状です。そのときは、急いで専門医を受診してください。119番に電話して相談すれば、必要に応じて適切な医療機関に搬送してくれますし、救急車の必要がない場合には専門医を紹介してくれます。また、地方自治体による夜間・休日の担当医を紹介するサービスがあります。利用するとよいでしょう。

(執筆・監修:独立行政法人 国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター 人工臓器・機器開発研究部長 角田 晃一
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