漏斗胸〔ろうときょう〕 家庭の医学

 胸の中央部がへこんでいる疾患で、肋軟骨(ろくなんこつ)の変形が原因です。
 ほとんどの患者さんは無症状ですが、上気道炎にかかりやすい、疲れやすいなどの症状がみられることもあります。また、肺活量の低下や心電図の異常をみとめる場合もあります。
 このような症状がなくても、胸の変形のために悩むことが多く、学童期の治療が望まれます。

【治療】
 現在では、金属のプレートを肋骨の下に入れて矯正するナス法が標準的な手術です。肋軟骨がやわらかい、10歳ころまでにおこなうのが理想的です。
 そのほか、変形した肋軟骨を切除する胸骨挙上術(きょうこつきょじょうじゅつ)などもおこなわれます。

【参照】胸壁と縦隔の病気:漏斗胸鳩胸・その他

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)
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