漏斗胸〔ろうときょう〕

 生まれつき前胸部の中央が陥没している状態をいいます。幼少時に陥没がしだいにはっきりしてきて、気づかれることが多い病気です。男性に多く、全人口の0.04~4.9%ぐらいに発生するといわれています。
 肋骨の先端にある軟骨(肋軟骨〈ろくなんこつ〉)が過成長し、そのさきにつながっている胸骨が陥没するために発生すると考えられています。

 鳩胸(はとむね)は、漏斗胸とは逆に前胸部の中央が突出する状態をいいます。漏斗胸の発生頻度のさらに10分の1程度のまれな病気です。
 漏斗胸では、陥没の程度がよほど高度でないかぎり、心臓や肺などの胸部臓器が圧迫を受けて症状が出ることはありません。思春期のころから容姿の問題で悩むことがあったり、また成長期に症状が進行するので、子どものうちに治療するほうがよいと考えられています。呼吸器外科、形成外科または小児外科専門医にご相談ください。特に症状が強い場合には、小児期のうちに手術を受けたほうがきれいに修復できます。
 手術の方法は、従来は長すぎる肋軟骨を切除し、胸骨を前方に持ち上げる胸骨挙上術、またはへこんだ胸骨を裏返す胸骨翻転(ほんてん)術がおこなわれていましたが、最近は内視鏡手術が発達し、Nuss(ナス)法という術式がおこなわれることが多くなりました。
 Nuss法とは、胸腔(きょうくう)鏡で観察しながら金属プレートを側胸部の小さい皮膚切開から胸腔内に挿入し、内側から圧を加え胸壁のかたちをととのえる術式です。皮膚の表面には小さな目立たない傷が残るだけで、美容上の利点があります。プレートは2~3年後に抜き取ります。
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