透析療法〔とうせきりょうほう〕

 わが国では現在透析療法を受けている人が約33万人いるといわれています。透析療法には、血液透析と連続携行式腹膜透析(CAPD:continuous ambulatory peritoneal dialysis)があります。
 血液透析とは、腕に針を刺して血液を体外へ引き出し、ダイアライザーという器械を使って血液中の不要な物質と水分を取り出し、そのようにして浄化された血液をふたたび体内へ戻します。これをくり返すことにより体内から不要な物質を取り除き、血液をより正常へと戻すようにします。
 一般には、このようにして血液を浄化する作業を週3回、1回3~4時間かけておこなっています。

 わが国では血液透析は腕にシャントをつくり、そこから血液を取り出しています。シャントというのは、動脈と静脈をつなぎ合わせて静脈を太くかつ丈夫にしたものです。

 これに対して、連続携行式腹膜透析(CAPD)は腹壁からカテーテルを腹腔(ふくくう)の中に入れ、それをとどめ置くことで、おもに腹膜を使って血液中から、不要になった物質を取り除いていきます。このとき透析液を腹腔に入れ、1日3~4時間この液を貯留することで、この透析液と血液が腹膜を通して交換され、かつ水分の除去もおこないます。

 このように透析治療には、2つの方法があり、たびたびどちらがよい方法であるとか、どちらが若い人に向いているとかいう議論がおこなわれてきました。
 しかし、基本的には一長一短です。腹膜透析は水分の除去には向いていますが、尿毒物質は十分には除去できません。いっぽう、血液透析は尿毒物質の除去には優れていますが、水分の除去には時に困難なことがあります。
 最近では、尿量が比較的保たれているような慢性腎臓病(CKD)では腹膜透析から開始し、5年ないし10年前後で血液透析へと移行していくことが、より長く透析療法をおこなうにはよいのではないかという考えかたが出てきています。また、高齢者では若い人と異なり尿毒物質の産生も少ないため、腹膜透析のほうが適しているという考えかたも出ています。
 この腹膜透析か血液透析かですが、まずかかりつけの医師がどちらの治療に習熟しているのか、また自分にはどちらが向いているかを考えて、選択するのがよいと思います。

(執筆・監修:医療法人財団みさき会 たむら記念病院 院長 鈴木 洋通)
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