尿管結石〔にょうかんけっせき〕

 尿管の内腔は狭いので数mm大の結石でも尿管にとどまり、そこで尿流を阻害します。腎臓は水腎症となり、激痛を発します。これを腎疝痛(じんせんつう)といいます。悪心(おしん)や嘔吐(おうと)を伴うこともあります。結石が下のほうにあると、下腹部痛だけのこともあります。結石の大きさが径10mmまでなら自然排石が期待できます。

 尿管結石が尿管に長く嵌頓(かんとん)したままとどまっていると、水腎症が続発して腎臓の実質が障害されます。また、腎盂(じんう)腎炎を併発すると重症化します。
 無症状であっても長く放置すると腎臓の機能が廃絶してしまうので、長期に放置することはよくありません。また、長期に放置すればするほど、結石のある部位には肉芽(にくげ)組織ができて治療がむずかしくなります。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔泌尿器外科学〕 久米 春喜)
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