急にがまんできないくらい強い尿意(尿意切迫感)が起こる状態をいいます。トイレが近い(頻尿)ことが多く、間に合わずに失禁することもあります。この場合の失禁は、尿失禁のなかの切迫性尿失禁に該当します(
尿失禁 参照)。
脳梗塞や他の神経系の疾患が原因となることもありますが、多くは原因を特定できません。年齢が高くなるにつれて、この状態になっている人の割合は高くなります。類似の症状は、
膀胱炎、
膀胱結石、
膀胱がんなどでも起こりますので、鑑別が重要です。
治療には、骨盤底の筋肉の訓練、尿意が起こったらそれをがまんする訓練(膀胱訓練)などがありますが、薬剤治療が主体となります。ほかには、電気や磁気の刺激治療、ボツリヌス毒素の膀胱壁注入治療などがおこなわれます。
(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔泌尿器外科学〕 久米 春喜)
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