夜尿症〔やにょうしょう〕 家庭の医学

 いわゆる「おねしょ」のことです。乳幼児では昼夜を問わずある程度の尿量になれば排尿しますが、徐々に排尿習慣を獲得し、夜間には排尿には行かなくなります。しかし、幼小児期以降になっても夜間に無意識に排尿してしまうことがあります。夜間につくられる尿量が多い、膀胱にためられる量が少ない、睡眠の状態が深過ぎる、などが原因となります。
 小児の場合は、成長に伴って改善することが多いです。成長しても改善しない、成人となってから発症するなどの場合は、感染症やその他の疾患がないことを確認する必要があります。
 治療としては、アラーム治療(尿が漏れたらアラームが鳴る)や薬剤(尿量を減らす、または、膀胱の容量を大きくする)が用いられます。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔泌尿器外科学〕 久米 春喜)
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