足関節外果部滑液包炎〔そくかんせつがいかぶかつえきほうえん〕

 足関節の外くるぶし(外果)の付近にはれが生じ、触れると中に液体がたまっているように感じられた場合、滑液包炎の可能性があります。滑液包炎は、足関節部の皮膚のすぐ下にある滑液包と呼ばれる組織の炎症で、たいていの場合、はれの内部には黄色透明な滲出液(しんしゅつえき)がたまっています。滲出液は血液がまじって赤みを帯びていることもあります。押して痛む場合も、痛みがほとんどない場合もあります。
 この滑液包炎は特に原因がなく生じることも多いですが、履き物や正座の際などの圧迫によって生じることもあります。時間の経過とともに自然に軽快することが多い病気ですが、思いあたる原因がある場合はまずそれを改善してみましょう。また、滑液包のまわりに細菌感染が起きて蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる状態になることがあります。痛みやはれがいちじるしい場合、特に赤くはれて熱をもっている場合は蜂窩織炎の可能性がありますので、早めに専門医による診察を受けてください。

(執筆・監修:東京大学大学院総合文化研究科 教授〔広域科学専攻生命環境科学系〕 福井 尚志)
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