単純ヘルペス(単純疱疹)〔たんじゅんへるぺす(たんじゅんほうしん)〕

 かぜをひいたとき、くちびるのまわりにできる小さな水ぶくれがこれです。これは“口唇(こうしん)ヘルペス”ともいいます。1つのこともありますが、同時に2、3個でき、むらがっていることもあります。

 なかには、からだに広くできることもあります。軽い痛みがあります。すぐにつぶれて、あとにびらん面を残します。
 かぜによるほか、いろいろな発熱、直射日光に当たったあと、アスピリンなどの薬をのんだあと、月経前後にくり返してできることもあります。一度これができると、たびたび再発するので困ります。そういったものを“再発性ヘルペス”と呼んでいます。
 外陰にできるものは“陰部(性器)ヘルペス”といいます。多くは再発性ヘルペスで、くり返します。最近では性行為に伴うヘルペス感染が社会問題になってきています。また、産道のヘルペス感染によって新生児ヘルペスが起こることもあります。
 ヘルペスのウイルスは、Ⅰ型とⅡ型に区別されています。Ⅰ型は口唇など上半身に、Ⅱ型は陰部ヘルペスなど下半身にヘルペスを起こすといわれています。

[治療]
 抗ヘルペス薬が単純ヘルペスによく効きます。症状に応じて内服、外用、点滴静脈注射します。

■疱疹性湿疹(カポジ水痘様発疹症)
 単純ヘルペスにはじめてかかる人で、アトピー性皮膚炎や範囲の広い湿疹などがある人に出ることの多いタイプです。小さな水疱(すいほう)がたくさん寄り集まって、からだの広い範囲に出てきます。高熱が出て、全身がだるくなることもよくあります。
 疱疹性湿疹とは呼びませんが、性器・陰部に小さな水疱がたくさんできて、熱が出て、痛みも強いヘルペス感染もあります(急性性器ヘルペス)。再発性の陰部(性器)ヘルペスのある人との性交によってはじめて感染する場合です。

[治療]
 抗ヘルペス薬の内服、またはアシクロビルの注射で治療します。

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