愛知県愛西市の集団接種会場で昨年11月、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた飯岡綾乃さん=当時(42)=が直後に死亡した問題で、遺族は4日、市を相手取り、11月にも損害賠償を求める訴訟を起こす方針を明らかにした。
 接種を巡っては、市の医療事故調査委員会が9月26日、早期にアドレナリンを投与するなど適切な治療をしていれば「救命できた可能性を否定できない」とする報告書を公表した。
 夫英治さん(45)によると、日永貴章市長が同日、報告書の公表を受けて記者会見した際、英治さんが会場に入るなどした言動を市が問題視。市側の代理人弁護士から、「甚だ遺憾」とする抗議文が届いたという。
 こうした市側の対応を受け、英治さんは提訴を決めたといい、「自分たちが住んできた町なので訴えたくはないが、市に寄り添う気持ちがないことが分かった」と話した。 (C)時事通信社