埼玉県議会は13日の本会議で、子どもを自宅などに放置することを虐待と定める条例改正案を正式に取り下げる手続きを行った。自民党県議団が撤回請求を提出し、承認された。条例案は6日に委員会を通過し、本会議での成立が見込まれていたが、「対応できない家庭が多い」など批判が相次ぎ、県議団が取り下げを表明していた。
 本会議に先立つ議会運営委員会では、自民県議団が「条例が運用されるに当たっては、趣旨が十分に理解され、広く社会に受け入れられた上で、社会全体として子どもの安全を守る機運につながることが重要だ」と説明した。
 自民県議団が提出した県虐待禁止条例改正案は、小学3年生以下の子どもを自宅などに放置することを一律に禁止し、小学4~6年生は努力義務とする内容。罰則のない「理念条例」だが、子どもだけでの留守番や登下校、公園で遊ぶことなども放置と見なし、県民に通報義務を課していた。 (C)時事通信社