【ニューヨーク時事】米食品医薬品局(FDA)は8日、重度の貧血を引き起こす「鎌状赤血球症」について、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」技術を応用した治療法を承認したと発表した。2020年のノーベル化学賞に輝いた技術を活用した治療法が米国で認められたのは初めて。
 鎌状赤血球症は、遺伝子の突然変異が生じることで、血流悪化や体の痛みを引き起こす病気。最悪の場合、死に至る。米国内の患者約10万人のうち大半が黒人という。
 FDAが承認したのは、米バイオ企業バーテックス・ファーマシューティカルズと、ゲノム編集技術を手掛けるスイスのクリスパー・セラピューティクスが共同開発した治療法。12歳以上が対象で、患者から採取した赤血球などの元になる細胞をゲノム編集技術で改変し、体内に戻す仕組みだ。 (C)時事通信社