政府は22日、2024年度の公的年金支給額を引き上げる方針を固めた。物価上昇を踏まえた措置で、プラス改定は2年連続。ただ、将来世代の給付水準を確保するため、今の高齢者への年金額を抑制する「マクロ経済スライド」を発動する見通し。年金の伸びは物価上昇に追い付かず、2年連続で実質的に目減りとなる。来年1月に正式決定する。
 年金支給額は、直近1年間の物価変動率と過去3年間の賃金変動率を踏まえて毎年度改定する。物価上昇率は3.4%、賃金上昇率は3.3%と見込まれており、24年度の年金は増額となる。
 一方、物価や賃金の上昇時に適用される「マクロ経済スライド」も実施する見込み。伸び幅の小さい賃金上昇率から0.4%分を抑制するため、実際の年金額は前年度比2.9%増にとどまり、高齢者の生活に影響を与えそうだ。 (C)時事通信社