【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの保健当局は28日、北部の病院で子供6人が脱水症状と栄養失調で死亡したと発表した。国連は、ガザ人口の約4分の1に当たる少なくとも57万6000人が飢餓寸前の状態にあると警告。約30万人が暮らす北部は支援が寸断され、特に深刻な状況にあると指摘していた。
 また、ガザで活動する国際NGO「プロジェクト・ホープ」は28日、過去3週間で中部デイルバラの医療機関を受診した妊婦416人中約21%が栄養失調に陥っていたと発表した。栄養価の高い食べ物が手に入らず、妊婦はパンだけで生活しているという。同NGOは、安全が確保されなかったり、資金が不足したりして、国連機関の物資搬送が遅れれば、今後数週間で飢餓状態の人が増えると警鐘を鳴らした。
 一方、カタールで行われているイスラエルとハマスの戦闘休止に向けた間接交渉は、「ゆっくりと着実に進展している」と伝えられている。ただ、ハマスが解放する人質と引き換えに、イスラエルが釈放するパレスチナ囚人の人数など詳細で双方に隔たりがあるとされる。大きな進展がなければ、イスラエル代表団は予定通り29日に帰国するという。 (C)時事通信社