【ソウル時事】大学医学部の入学定員を増やす韓国政府の方針に反対する研修医らが集団で辞表を提出した問題で、保健福祉省は4日、職場復帰を求める命令に従わなかった研修医約7000人の医師免許停止処分の手続きを開始すると発表した。同省高官は記者会見で「少なくとも3カ月の免停処分」を科すと表明。処分は段階的に行うとし、撤回はないと説明した。
 研修医らは、医師不足対策として医学部の入学定員を2025年度から2000人増員する方針に反発。約8900人が職場を離脱し、手術の延期や診療拒否など影響が広がっていた。政府は2月末までに職場に復帰するよう命じたが、従った研修医は一部にとどまった。
 医師会は、医師の配置に偏りがあり、不足しているのは救急など一部の専門分野に限られると主張。急激な定員増は医療の質の低下を招くと指摘し、今月3日にはソウルで4万人参加(主催者発表)の大規模抗議集会を開催した。研修医の団体も、週80時間超働く研修医が5割を超す「過酷な環境の改善」が先決だと訴えている。 (C)時事通信社