小林製薬の紅麹(べにこうじ)を含んだサプリメントを摂取した人が健康被害を訴えている問題で、原料として紅麹の提供を受けた企業で自主回収する動きが広がっている。ノエビア(神戸市)など国内メーカーに加え、台湾企業も回収を始めるなど影響は海外にも波及しており、事態の収束が見通せない状況だ。
 小林製薬は52社に紅麹を販売したとしており、販売先には商社も含まれている。小林製薬の紅麹を問屋経由で仕入れているという食品会社の社長は「使っている会社は数百とか数千に及ぶはずだ」と話すなど、被害のさらなる拡大が懸念されている。
 台湾では健康食品メーカーの「三合興産業」や「大医生技」などが小林製薬の紅麹を加工して販売していたことが判明し、カプセルや錠剤を回収。ノエビアはサプリメント「ノエビア DHA&EPA」を、金谷ホテルベーカリー(栃木県日光市)は「いちごブレッド」など3種をそれぞれ回収。福山黒酢(鹿児島県霧島市)は「紅糀(こうじ)黒酢」など3種、約11万3200本を回収すると発表した。 (C)時事通信社