小林製薬(大阪市)が製造した紅麹(べにこうじ)配合サプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、厚生労働省と和歌山県は31日、食品衛生法に基づき、同社子会社の和歌山工場(同県紀の川市)を立ち入り検査した。青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が原因の可能性があり、同省などは製造工程を詳しく調べる。
 和歌山工場は昨年12月に閉鎖した小林製薬の大阪工場(大阪市)の設備が移設されており、サプリの原料を製造していた。厚労省の立ち入りは30日の大阪工場に続き2回目。
 和歌山工場には31日午前9時半ごろ、厚労省の職員約10人が到着。かばんを手に無言で敷地内へと入っていった。小林製薬の担当者は連日の立ち入りについて「原料は1月以降も出荷していた。早く(原因を)解明するために、しっかり誠実に対応する」と話した。この日の検査は約5時間で終了した。
 厚労省によると、健康被害の訴えがあったサプリ「紅麹コレステヘルプ」について小林製薬が検査したところ、製品ロットからプベルル酸が検出された。プベルル酸は抗生物質としての特性がある一方、毒性が非常に強いといい、同社から原料などのサンプルの提供を受け、国立医薬品食品衛生研究所(川崎市)で分析を急ぐ。
 同社は「紅麹コレステヘルプ」のほか、「ナイシヘルプ+コレステロール」と「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」など約30万袋の自主回収を発表している。 (C)時事通信社