小林製薬(大阪市)が製造した紅麹(べにこうじ)配合サプリメントを摂取した人から健康被害の訴えが相次いでいる問題で、厚生労働省は29日、サプリから青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が同社の検査で検出されたと明らかにした。原因物質の可能性もあり、国立医薬品食品衛生研究所は同社の過去3年分のサンプルを分析し、解析を進める。
厚労省によると、プベルル酸は抗生物質としての特性があり、抗マラリア効果を持つ。一方、毒性が非常に高く、サプリには通常含まれない。小林製薬側は28日の専門調査会で、健康被害があった「紅麹コレステヘルプ」の製品ロットから検出されたと説明したという。
プベルル酸が腎臓に及ぼす影響は不明。同省担当者は「一定の可能性はあるが、原因物質を特定したものではない」と指摘。プベルル酸の毒性の評価や発生原因について、衛生研究所で分析を進めるとしている。
武見敬三厚労相は29日、同省と大阪市が小林製薬の工場に対し、30日に立ち入り検査することを明らかにした。同社が原料を供給した52社からは、29日までに健康被害の報告はなかったことも分かった。 (C)時事通信社
青カビ由来「プベルル酸」を検出=小林製薬の紅麹サプリ―30日立ち入りへ・厚労省
(2024/03/31 18:24)