東京工業大は1日までに、2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授(79)から同賞メダルの寄贈を受けたと発表した。大岡山キャンパス(東京都目黒区)で入学式が行われる3日に、授賞対象となった「オートファジー(自食作用)」の解説付きで同キャンパス内の博物館で特別公開される。今後、学園祭などの行事でも公開される見込み。
 オートファジーは、細胞内で不要になったたんぱく質を分解し、再利用する仕組みで、大隅栄誉教授は酵母を対象とする独創的な研究で解明した。その後、人にも同じ仕組みがあり、パーキンソン病などに関連することが分かった。
 東工大によると、大隅栄誉教授はメダルを寄贈した際、「若手研究者の良い刺激となり、日本の研究の発展に寄与していくことを期待する。若い人たちには失敗を恐れずにどんどん挑戦してほしい」と話したという。
 大隅栄誉教授は17年にはノーベル賞などの賞金を拠出して「大隅基礎科学創成財団」を設立。研究費の助成のほか、小中高生と研究者が交流するイベントの開催などを続けている。 (C)時事通信社