政府は2024年度中に、全国1741市区町村で行われている子育て支援制度を調査し、データベース化する方針だ。民間企業の子育て支援アプリに集まったデータを提供し、保護者らにプッシュ型で知らせる仕組みも構築する。各種給付金のもらいそびれや、健診の受け忘れ防止などを図る狙い。
 子育て支援制度は、市区町村によって内容や申請方法が異なり、保護者らが必要な情報を自ら調べて把握するには手間がかかる。情報を集約した上で、プッシュ型で先回りして配信することで、こうした負担の軽減にもつなげたい考えだ。
 新たに構築するデータベースには、出産や子育ての一時金に関する情報、ベビーシッター利用料に対する助成、離乳食教室の実施状況、遺児に対する激励金支給など、多岐にわたる情報を盛り込む方向だ。東京都が先行してデータベース化の実証事業を手掛けており、政府はこうした取り組みも参考に整備を進める。
 データベースは、民間企業が提供する母子健康手帳アプリや保育園連絡帳アプリなどと連携させ、保護者らに必要な情報が通知されるようにする。利用できる支援制度は、子どもの年齢や世帯の年収などに応じて異なるため、まずは未就学児を対象としたものから優先的に整備する方向だ。
 24年度中にデータベースの構築を終えた後のデータ更新作業は、各自治体に任せる方針。保護者らが必要な情報を入手できるよう、少なくとも年に1度は更新するよう促していく考えだ。 (C)時事通信社