治療・予防

転移の確率高い食道がん
内視鏡による早期発見・治療が有効

 手術の合併症もある。例えば、腫瘍を切除した部分の粘膜がケロイド状に引きつれて食道を狭くしてしまう「瘢痕狭窄(はんこんきょうさく)」だ。しかし、矢作教授は「予防としてステロイドを適切に処方することでかなり防ぐことができる。狭窄が生じても、患部に小さな風船のような「バルーン」を入れて押し広げたり、内視鏡で瘢痕を取り除いたりすることもできる」と強調する。

 注意したい点もある。この手術には、一定の技量が要求されるからだ。手術を受けられるのは慶応大学病院などの大学病院やがんセンターなど各地の専門医のいる医療施設に限られている。矢作教授は「もし進行がんでない食道がんで通常手術を提示された場合は、可能なら、内視鏡手術を実施している医療機関にセカンドオピニオンを求めることを考えてほしい」とアドバイスしている。

慶応大学医学部腫瘍センターの矢作直久教授

 ◇発病高める喫煙と飲酒

 食道がん発病の可能性を高める生活習慣が分かっている。矢作教授によれば、喫煙と飲酒だ。

 「飲酒では、多量飲酒はもちろん、特に飲んですぐに顔が赤くなる人は要注意。このリスクのある人は40歳を越えたら定期的に内視鏡検査を受けてほしい。また、早期に発見して完治しても再発しやすいがんなので、1回発病した人は1年に1度、2回以上治療を受けた人なら半年に1度は検査を受けるのが安全だ」

【用語説明】食道がんの治癒率

 国立がん情報センターによると、食道がん患者の5年後の平均生存率は全体で43.3%。進行度合い別で見ると、早期の1期で86.3%だが、進行期の2期が56.3%、3期で29.33%、多臓器転移を含む4期で12.4%に留まっている。(喜多壮太郎・鈴木豊)

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