治療・予防

注意!元気な世代の熱中症
既に患者が続出

 ◇頸部を冷やそう

 熱中症対策も当然変わってくる。スポーツや屋外作業中に一定時間ごとの水分補給や休憩はもちろんだが、屋内での家事や買い物、仕事先への訪問などで少し長めに歩く際にも、合間、合間に脇の下や頸部(けいぶ)など動脈が集まる部分をアイスパックや氷で冷やすような対応さえ必要になる。

小型アイスパックをタオルで包む

小型アイスパックをタオルで包む

 「こういう時に役立つのが食品を持ち帰る際についてくる小さな冷却剤だ。ハンカチなどに包み、首の両側面や脇の下に当てれば、体温を下げる効果がある。コンビニエンスストアなどで売っている氷も有効だ。溶けたら飲めばよい」と同医師は話す。

 水分補給には思わぬ落とし穴がある。通常の場合はお茶や水で十分。しかし、吸収効率を考えると、常温から冷蔵庫に入っている程度の温度が望ましい。脱水症状を起こしている可能性があれば、ミネラル類を多く含んだスポーツドリンクなどが望ましいが、重症化すれば点滴による水分補給も必要になる。

 ◇携帯の小型温度計も活用

 それでもめまい吐き気、強い倦怠感(けんたいかん)を感じた場合は、涼しい所、できれば空調の効いた場所で30分程度休憩しよう。その間に脱水作用があるアルコール飲料以外の水分補給をしたり、ハンカチなどで包んだアイスパックや氷で首筋や脇の下を冷やしたりすることを忘れないようにしたい。

 「気温が体温を超えるような環境では、皮膚を露出し汗を気化させても体を冷やすことができなくなる。屋外に長くいるような際には、携帯式の小型温度計を持参して自分のいる場所の気温や湿度を把握するくらいの慎重さが必要になるかもしれない」と鳥居医師は警告している。(喜多壮太郎・鈴木豊)

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