インタビュー

睡眠障害、伊藤洋医師に聞く(下)=薬に頼らず指導で

 ◇新たな治療基準目指す

 ―睡眠衛生指導が日本で広がっていないのはなぜでしょうか。

 伊藤 日本では、睡眠衛生指導は保険診療として点数化されていないため、行っている医療機関が大変少なく、専門家も育成されていません。日本の睡眠医療は、世界的に見ても進んでいますが、医療システムの問題で、本来行われるべき診療が行われていないのが現状です。睡眠衛生指導は人手と時間がかかります。医師が行うと費用がかかる上に、人手も不足しています。睡眠衛生指導や認知行動療法の専門家は医師である必要はありません。看護師や臨床心理士で睡眠医療の知識があれば、医師の代わりに指導やカウンセリングを行うことが可能です。現在、日本睡眠学会が中心となり、睡眠衛生指導における診療報酬の点数化や専門家養成に向けて動きだしたところです。近い将来、睡眠障害の治療のスタンダードになるのではないかと思います。

 ―睡眠薬はむやみに使用しない方が良いということですね。

 伊藤 当院の場合は、たとえ患者さんが望んでも、本当に必要な場合だけ処方するようにしています。通常は6カ月で、長くとも1年以内には薬をやめるように勧めています。ただ、高齢者が少量を毎日服用し、ぐっすり朝まで眠れ、日中の調子がいいということであれば、やめる必要はないと思います。薬を継続するかどうかは、患者の年齢や症状によって医師が判断することになります。いずれにしろ、自己判断でやめるのではなく、医師に相談するようにしましょう。(ソーシャライズ社提供)

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■伊藤洋医師 東京慈恵医科大学葛飾医療センター院長、日本睡眠学会理事長
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