医療ADR

訴訟より短期間、負担も軽く=制度開始10年―医療ADR

 ◇手続きなど広報が課題

 医療ADRは治療や診療、介護、投薬など医療過誤をめぐる患者、家族からの損害賠償請求のほか、金銭要求を含まない経過報告、再発防止策の説明請求なども対象。また患者との調整を目的とした医療機関、介護施設からの申し立ても受け付けている。

 手続きはまず、弁護士会の仲裁センターなどが申し立てを受け付け、相手方に連絡。ADRの流れを説明した上で、協議への出席を要請する。相手方が応諾した場合、第1回期日を設定し協議がスタート。協議がまとまると約束を和解契約書に記載するが、双方が判決と同じ効力を持たせたい場合には仲裁判断書を作成する。まとまらなかった場合は、その段階で手続きは終了する。

 一連の流れで重要なのは、①相手方が協議に参加すること②協議におけるあっせん人の役割―の2点。相手方が協議への出席要請に応諾しなければ、医療ADRは当初から成立しない。また、あっせん人の公平中立性が担保されなければ、協議進行に影響が出る。


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