医療ADR

訴訟より短期間、負担も軽く=制度開始10年―医療ADR


 医療ADRの制度設計は各機関で異なるが、東京三弁護士会の場合、仲裁役のあっせん人は1~3人で、現在は3人体制が主流。あっせん事件を多く手掛けてきた弁護士のほかに、患者側代理人の経験豊富な弁護士、医療側代理人の経験豊富な弁護士が加わる。各当事者に味方するのではなく、医療過誤訴訟の経験を踏まえ、感情的な対立から生じる誤解を排除し協議をスムーズに進行させる役割を担っている。

 協議は、話し合いの交通整理を行う(ステップ1)、両当事者の同意の下、解決に向けた合意形成を調整する(ステップ2)―の2段階で進めていくという。

 東京三弁護士会の14年12月までの終了事件は計320件で、うち和解成立135件、取り下げ35件、和解不成立38件。応諾しなかったケースは112件だった。

 医療ADRについて「思ったよりうまく機能している」(日弁連医療ADR特別部会委員)としながらも、広く利用してもらうには応諾率と和解率を向上させることが必須という。そのためには医療側、患者側双方にADRの目的や手続きを理解してもらうための広報が重要としている。(解説委員・松本信彦)

■弁護士会医療ADR所在地一覧はこちら(日本弁護士連合会ホームページより)

〔後半に続く〕「医療は公共財、争いは話し合いで」 =ADR現状と課題、日弁連インタビュー


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