Dr.純子のメディカルサロン

在宅勤務者が感じるストレスの緩和法
~新型コロナ疲労とパーソナルタイム~ 第45回

 ◆日本型ストレス解消に代わる方法を

 ところが、こうしたストレス軽減方法は、新型コロナ感染には、大きなリスクになります。

テレワークを実施中のオフィス(本文とは直接関係ありません)【時事通信社】

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 居酒屋などの近距離での会話や密集した構造は感染を広げます。そのために、これまでのストレス軽減法を急に取ることができなくなりました。ここに、今のコロナ疲労の要因の一つがあると思われます。

 「なにかヒタヒタと後ろから追いかけられているような恐怖」を感じるという声を多く聞きます。

 大きなストレス要因がある場合、人とのつながりがあり、かつ、それを表現し、共感することで、ストレスは軽減されます。

 自分一人だと、どんどん悪い方向へ考えたり、先へ先へと考えが及び、気持ちが落ち込むものです。このような時、人と話すことで、客観的に自分を捉え、考えを見直すことが、ストレス緩和とうつ予防に重要です。

 これまで「帰りに一杯」で行ってきたストレス緩和を、この時期は、他の方法に変えることが必要と言えます。

 ◆新しい形のパーソナルタイムでリスクを減らす

 新型コロナ感染拡大のリスクは、人が集まり、近距離で会話することです。

 こうしたリスクなしで

 ▽自分の気持ちを表現でき、共感できる人と共有できる場をつくる

 ▽家族と一緒にいる家の中でもパーソナルタイムをつくる方法を考える

 という二つの対策が今後、コロナ疲労からうつや家庭内暴力増加を食い止める手立てと思われます。

 在宅勤務の人は、時間を決めて、一人で過ごす時間をつくるようにしてはいかがでしょう。

 音楽といった趣味の仲間との交流として、フェイスブックのライブ配信を活用する方法もありますし、家でできるストレッチの動画なども配信されています。

 オンラインミーティングのアプリ「Zoom」を利用して、仲間と会話や食事をするなどの新しい形の交流の仕方も急速に進んでいます。

 自分の時間と他者との時間のバランスを考えながら過ごすことが、ストレスを軽くするために重要だと思われます。

 インターネットを使ったコミュニケーションには、まだ抵抗のある人も多いようですが、この時期、柔軟に利用を始めてはとも思います。

(文 海原純子)

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