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食中毒でも発熱があると…  
コロナ感染を疑われる

 注意が必要なのは、医療機関の受診前だけではない。新型コロナ感染拡大に伴う「自粛」で増加した飲食店のテークアウト料理にも気を付けたい。できたての温かい料理を提供する店も多いが、竹村教授は「温かい料理でも、できるだけ早く食べる。少しでも時間がたって不安に思えば、生野菜などは別にして冷蔵庫に入れ、食べる前にしっかり再加熱するよう心がける」ことを求めている。

 ◇注文を受けてから調理

営業が苦しい飲食店を支えるために積極的に買い求める客も

 テークアウト料理に力を入れている店側も警戒を強めている。東京都西部の吉祥寺駅周辺で地鶏焼き鳥店と洋風肉料理店を経営している吉田辰樹さんは「営業時間の自粛を機にテークアウトのメニューを充実させたが、食中毒は怖い。メニューにも注意している」と話す。

 昼食需要を狙って店頭や路上の露店に弁当などを並べるケースも多い中、吉田さんは、あくまで店舗で注文を受けてから調理し、持ち帰り用の容器に入れている。調理してから時間が経過する弁当は、十分な冷蔵や温度管理が難しいなど、食中毒リスクが避けられないためだ。

 ◇リスクに対応するには

 それでも不安は残る。調理直後の温かい料理は、場合によっては細菌などが増加してしまう。また、半熟卵の食感が魅力の親子丼は「冷えると固まっておいしくない」。このため吉田さんは、食中毒を避けるだけでなく、おいしく食べるためにも、「本当に職場や家に帰ったらすぐ食べてほしい」と訴えている。

新型コロナ流行前から人気メニューだった親子丼(吉田辰樹さん提供)

 食中毒リスクに本格的に対応するためにはレシピを変え、保存のための添加物も必要になるが、そうなれば味が変わってしまう。「店の味をそのままテークアウトするのは難しい」だけでなく、コスト増にもつながる。このため、十分に火を通した、味付けが濃い料理を柱に据え、持ち帰り時間が比較的短い帰宅客を狙った夕食用メニューに力を入れている。

 実際、「洋風前菜とローストポークに付け合わせとライス」といった新メニューは「家族で楽しむ夕食でも、それなりの充実感を感じてもらえる味」で、テークアウトでも人気だという。今後は、「従業員ができたての料理を届けるデリバリーに取り組みたい」と吉田さんは話している。(喜多壮太郎・舟橋良治)

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