治療・予防

皮膚の内側にあかがたまる―粉瘤
放置せず、炎症起こす前に受診を

 皮膚科を受診する人に最も多く見られる皮膚の良性腫瘍である粉瘤(ふんりゅう)。ヒトパピローマウイルスやピアスなどによる外的刺激が原因の一つといわれるが、多くは原因不明だ。症状や治療法について、はなふさ皮膚科(東京都三鷹市)の花房火月理事長に聞いた。

粉瘤とは

 ▽薬では治癒しない

 粉瘤は分泌物がたまった腫瘍の一種で、皮膚表面にこぶのような膨らみを作る。皮下に袋状の構造物ができて、その中にあか(角質)がたまって徐々に大きくなるのが特徴だ。体のどこにでも表れ、圧迫すると、こぶの中央にある開口部から悪臭のある内容物を排出する。また、袋が破裂すると、皮膚の内部に内容物がまき散らされて炎症を引き起こし、強い痛みを生じることがある。

 ほとんどが良性だが、ごくまれにがん化して皮膚がんになる例がある。花房理事長は「悪性腫瘍だけでなく、粉瘤と似ている脂肪腫やガングリオンなどの皮膚疾患との鑑別のためには病理検査が必要です」と説明する。

 粉瘤は薬では治癒しない。「治療の基本は手術です。手術のできる皮膚科や形成外科を受診してほしい」と話す。

 ▽小さいうちに手術を

 手術はこぶの中央部に小さな穴を開け、そこから内容物を絞り出し、その後にしぼんだ袋を取り出す「くりぬき法」が一般的だ。以前から行われている「切開法」は、初めに皮膚を切開して内容物を取り出し、傷口が落ち着いてから袋を取り除き縫合するため傷口が目立つという問題がある。

 くりぬき法は、パンチメスで直径4~5ミリの円筒形の穴を開けるため、縫合が不要で傷口が目立ちにくい。皮膚の内側で炎症が起きていても実施できる。「当院では、ほとんどの患者にくりぬき法で手術を行っています。炎症がない場合、手術時間は5~10分程度です」と花房理事長。

 ただし、腫瘍の大きさが5センチを超える、何度も炎症を繰り返すといった粉瘤ではくりぬき法を行うことは困難だという。また、粉瘤が破裂を起こしていると、袋のまま取り除くことができず、周囲の皮膚と癒着を起こしている例もあるため治療がより難しくなる。

 花房理事長は「粉瘤が小さく、炎症が起こる前に手術で取り除けば、患者の負担は軽減されます。こぶのような膨らみがあり、触れた指が臭くなる場合は粉瘤の可能性があります。ほっておいても自然治癒しないため、医療機関を受診しましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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