治療・予防

進行が緩やかで診断の遅れも=異常な筋肉の緊張―ジストニア

 ◇注射薬で症状軽減

 かつては効果的な治療法がなかったが、現在は異常収縮する筋肉にボツリヌス毒素を注射することで症状を軽減できるようになった。この注射薬はボツリヌス菌の毒素成分を精製したもので、神経をまひさせ、筋肉を弛緩(しかん)させる作用がある。

 ボツリヌス毒素療法は講習を受け、登録をした医師でないと行うことができないため、どの医療機関でも受けられるわけではない。また、眼瞼けいれん、痙性斜頸などには保険が適用されるが、仕事で同じ動作や姿勢を過剰に反復することによって生じる職業性のジストニアには適用されない。

 原因は遺伝性のものを除いて不明の場合が多いが、一部に遅発性の薬剤の影響もあるという。「抗精神病薬を長く服用した人に症状が出ることがあります。怖いのは服薬をやめても症状が残ること。一方、ジストニアの症状は精神的な影響を受けやすいこともあり、病気の存在を知らないと精神疾患と思い込み、精神科を受診する人もいます」と三輪院長は言う。ジストニアが疑われる場合は、速やかに神経内科を受診したい。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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