誰にも言えない「尿トラブル」
女性泌尿器科医に高まる期待 前田佳子・東京女子医科大学附属足立医療センター 骨盤底機能再建診療部部長

　◇受診のハードルを上げないで

　泌尿器科の受診は一般的に心理的ハードルが高く、特に女性の患者さんにとっては男性医師や男性患者が多い泌尿器科の受診に抵抗を感じて、我慢している人もたくさんいると思います。

　先ほども申し上げたように女性泌尿器科医の比率は増えてきていますので、大きな施設であれば、女性医師の診察を受けることも可能になってきています。診察や治療を受けると「もっと早く受診すれば良かった」と喜ばれる患者さんも大勢います。誰にも言えずに困っていたらちゅうちょせずに受診してほしいです。

　男性と女性は身体の構造が違います。性差医療は進んでいるので、男性医師に「高齢だから仕方がない」と言われるようなことがあれば、ぜひ女性医師に相談してください。

聞き手・文：稲垣麻里子、企画：河野恵美子（大阪医科薬科大学医師）

　前田佳子（まえだ・よしこ）　東京女子医科大学附属足立医療センター 骨盤底機能再建診療部部長。89年東京女子医科大学を卒業後、同大学第三外科入局。1996年より米国アルバートアインシュタイン医科大学およびイエール大学研究員として留学。2007年より東京女子医科大学附属青山病院泌尿器科、昭和大学病院泌尿器科を経て現在に至る。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本透析医学会認定医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、内視鏡外科学会技術認定医、日本がん治療認定医、日本排尿機能学会専門医、日本医師会産業医。2017年より公益社団法人日本女医会会長に就任し、女性医師の地位向上のための支援にとどまらず、広く社会貢献活動に尽力している。

＊１：Mitsui T, et al. Int J Urol. 2024 Mar 21. [Epub ahead of print]、International Journal of Urology誌オンライン版2024年3月21日号

＊２：日本泌尿器科学会ホームページ

https://www.urol.or.jp/lib/files/society/gender/statistics_02.pdf

https://www.urol.or.jp/society/gender/about.html

［参考データ］

日本泌尿器科学会会員 年代別男女会員数・比率一覧

https://www.urol.or.jp/lib/files/society/gender/statistics_02.pdf

JUA総会　座長・シンポジスト

https://www.urol.or.jp/lib/files/society/gender/statistics_03.pdf

男女別会員数

https://www.urol.or.jp/lib/files/society/gender/statistics_01.pdf

日本泌尿器科学会男女別会員数推移

内分泌外会誌　39（4）：233-237，2022「魅力的な内分泌外科にするために―泌尿器科での取り組み―」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/39/4/39_233/_pdf/-char/ja

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（2025/02/13 05:00）

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