(フレイルを防ぐ・下)市民主導のフレイルチェック =衰え自覚させ、改善意識誘う
フレイルは、健康と要介護の中間に位置し、社会性や運動能力、かんだり飲み込んだりする機能が少し衰えてきている状態を指す。自分のフレイルの度合いを知るための「フレイルチェック」の普及を目指している東京大学高齢社会総合研究機構(東京都文京区)の高橋競特任研究員とフレイルサポーターの中村禎宏リーダーに話を聞いた。
◇市民が説明、測定も
高齢になると、運動面の衰えが要介護状態を招くと思いがちだが、実際は社会性や心、口腔(こうくう)環境など、多面的な衰えが絡んでいる。
フレイルチェックは、地域の公民館などを利用し、研修を受けた市民の「フレイルサポーター」が、参加者にフレイル予防の意義を説明し、測定を行う。そのために、3年間で2000人以上の高齢者を対象に実施した大規模健康調査を基に簡便な評価方法や基準が作られている。
「フレイルを具体的に知り、予防のためのヒントを学んでもらうことを目的としています」と高橋特任研究員。中村リーダーも「まず会場に足を運んでもらうことが予防の第一歩」と語る。
1回の参加者は20~40人。栄養、口腔、運動、社会性・こころ―の項目から成る「簡易チェック」後、測定を交えた「深掘りチェック」へと進む。
(2017/11/28 12:42)