治療・予防

(フレイルを防ぐ・下)市民主導のフレイルチェック =衰え自覚させ、改善意識誘う

 ◇楽しみながら改善へ

 両手の人さし指と親指で片脚のふくらはぎを囲んで筋肉量を測る「指輪っかテスト」や、座って腕を前に組み、片足で立ち上がるテスト、「パ」「タ」「カ」を1秒間に何回発音できるかをチェックする滑舌テストなど、どれも楽しみながら行えるよう工夫されている。

 参加者は、基準をクリアできれば青、できなければ赤のシールをチェックリストに貼り、測定値を書き込む。「自分でシールを貼り、書き込むことで、改善したい気持ちが生まれます」と高橋特任研究員は説明する。

 最後に、口腔環境や社会参加、こころの部分の具体的な設問に答えてチェックは終了。「フレイル予防ハンドブック」を渡して、サポーターが改善のヒントを示す。

 リピーターも増えており、フレイル改善のために運動や歯科治療を始めたり、「フレイルという言葉を知ってから運動食事、社会参加への関心が強くなった」と語ったりする参加者は多い。

 高橋特任研究員は「早い段階でフレイルに適切な介入を行えば、介護予防につながります」と強調。「フレイルチェックの機会を今後も増やしていきたい」と意欲を燃やしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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