治療・予防

「心の時間」とは何か
研究進む人の時間認知

 ◇将来は治療に応用も

 光は目、音は耳など、人は特定の刺激の感覚器官が決まっているが、時間の認知は分かりにくい。そのため、脳科学としての研究はあまり進んでいなかったが、時間認知の仕組みの解明は、将来的にはアルツハイマー型認知症やうつ病などの治療に役立つ可能性がある。

 河村院長の研究グループは現在、パーキンソン病患者の時間処理を中心に研究を進めている。脳内のドーパミンが不足することで発症するパーキンソン病は、ドーパミンを補う薬で運動症状が改善することが知られているが、「同様に時間認知の改善にも役立っている可能性がある」という。

 また、時間認知の解明と並行し、「カレンダーを見て本当の年齢と自分の意識が合致した患者の例のように、自分の時間と実際の時間の合致を繰り返し行う研究を進めることで、診断や治療法の開発も期待できる」という。

 時間の意識は、日常生活を送る上で必要不可欠なものだ。脳科学における時間の研究はまだ始まったばかりで、実際の治療につなげるまでには時間が必要だが、研究の進展に注目したい。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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