Dr.純子のメディカルサロン

大阪北部地震の教訓を考える

(3)防災グッズ、簡易トイレの備え

 今回被害がなかった方も、これを機に食料や水、運動靴、その他の防災グッズの確認をしておきましょう。簡易トイレは売られているものもあります。しかし、トイレに水が流れなくなった場合でも、ビニール袋や新聞紙があれば当面しのげます。準備をお勧めします。

 水が流れないからといって、トイレを我慢することは健康にも悪影響を及ぼします。

 また、大阪北部地震では、マンションなどのエレベーターが緊急停止したまま数日間復旧しないことがありました。2018年6月24日付読売新聞によれば、震災から5日後の6月22日の夕方になっても、復旧していないエレベーターが100基以上あったそうです。

 エレベーターの中に閉じ込められる可能性もさることながら、特にマンションの高層階に住んでいる方は、建物被害がなくてもエレベーターが数日間止まってしまう事態に直面する可能性があります。高層まで階段で行き来は困難ですから、その分も計算に入れて水や食料を備蓄する必要があるでしょう。

 今回の大阪北部地震が南海トラフ地震の「序章」だとする見解もあります。南海トラフ地震も首都直下型地震も、あるいはそれ以外の大きな地震もいつ起きてもおかしくありません。直接被害がなかった人も今回の大阪北部地震をきっかけに、それぞれの立場で防災を見直してみては、いかがでしょうか。

(文 久保田崇)


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