Dr.純子のメディカルサロン

大阪北部地震の教訓を考える

 6月18日に大阪府北部で発生した地震において被害を受けられた皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

 大阪地震から既に2週間が経過しましたが、2016年の熊本地震の時と違って、直後にさらに大きい地震に見舞われることはありませんでした。

 とはいえ、大阪府内で死者5人、18年6月24日付日本経済新聞によれば住宅被害は6700棟を超え、決して軽微な被害とは言えません。本稿では、大阪地震の教訓と私たちが今後できることを整理してみます。


(1)ブロック塀の問題

 今回の地震により倒壊したブロック塀で大阪府高槻市の寿栄(じゅえい)小学校の女児が犠牲になりました。これを受けて大阪府警が業務上過失致死容疑で捜査を開始し、浜田剛史市長も「市に責任がある」と謝罪する事態に発展しました。

 報道によれば、同校のブロック塀は外部の防災アドバイザーから危険だと指摘を受けていたにもかかわらず、その後の教育委員会の検査では安全だと判断したといいます。

 市長、教育長をはじめ教育委員会、学校の関係者としても、そもそも違法建築であることは思い至らなかったのだと推測されますが、これを機に全国の各自治体で点検すべきだと思います。

 佐賀県武雄市や宮城県気仙沼市は早速調査を始めました。静岡市は10年以上前からブロック塀撤去に最大10万円、改修に同25万円を助成する制度を設けています。大阪市も補助制度を創設する方針です。今後は、二度とあのような死者が出ないことを祈ります。


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