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お尻の洗浄、ほどほどに
かゆみや痛みの原因に

 温水洗浄便座は家庭や会社などに広く普及している。しかし、洗浄シャワーの使い過ぎが肛門周辺のかゆみや痛み、出血などを引き起こしていることがあるという。大阪肛門科診療所(大阪市)の佐々木みのり副院長は「肛門のかゆみを訴える患者さんの多くが洗い過ぎです」と指摘する。

洗浄は3秒以内に

 ▽水圧最強で10秒も

 皮膚の表面は、汗腺から出る汗と皮脂腺から分泌される皮脂が混じった「皮脂膜」で覆われている。皮脂膜は水をはじいて水分の蒸発を防ぎ、皮膚の潤いを保つと共に、外の刺激から皮膚を守る働きがある。皮脂膜が流されると皮膚の保護機能は失われ、柔軟性のない突っ張った肌になり、亀裂などの原因にもなる。特に肛門周辺の皮膚は薄く、傷つきやすい。

 肛門を洗い過ぎると、肛門付近のかゆみやひりひり感だけでなく、皮膚が白っぽくなる、べたべたする、ほくろや染みができる、ぶつぶつした突起物が生じるなどの症状が表れる。皮膚が擦り切れて血がにじむケースもある。

 佐々木副院長は「そうした患者さんのほとんどが洗浄シャワーを使っています。中には温水の刺激で排便を促している人もいます。水圧を最強にして10秒以上洗浄を続けて肛門を傷つけている人が多いです」と話す。

 ▽2週間、使用控えて

 症状が軽ければ、2週間ほど洗浄シャワーの使用をやめただけで、薬を使わなくても自然に治るという。

 佐々木副院長は、洗い過ぎや拭き過ぎ、こすり過ぎなどによる肛門付近の症状を日本人特有の清潔好きから「過剰衛生症候群」と名付けている。温水洗浄便座は今後、駅や公共施設などへの設置がさらに進むとみられ、一層注意が必要だ。

 「洗浄シャワーを使う際は水圧・水温を一番低く設定して3秒以内に抑えてほしい。肛門を拭くときはこすらず、ぽんぽんと優しく押さえ拭きにするとよいでしょう。外出先では使用を控えるのも予防になります」と佐々木副院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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