冬も水虫に注意
かゆみなくても症状進行
◇よく足を洗う
治療と同時に重要になのが、予防だ。基本は、毎晩就寝前の入浴の際によく足を洗うことだ。楠医師は「昔に比べて近年は、スポーツジムやヨガ教室など十分に暖房の効いて不特定多数が素足になる場所を利用する機会が増え、その分、白癬菌に感染するリスクは高くなる。このような場所を利用したときは、帰宅後によく足を洗う程度の自衛策は必要だ」と話す。また水虫になったときに家庭内での感染拡大を防ぐためには、足拭きや脱衣所のマットは家族と共有しない。スリッパも患者は専用のものを使い続けることなども、忘れてはいけない。
靴は間隔を空け、履かない日は乾燥を心掛ける
◇靴を乾燥させる
もう一つ注意したいポイントが靴の手入れ。白癬菌は高温多湿の環境を好み、皮膚や爪に含まれるタンパク質を栄養源に増殖する。楠医師は「足自体はもちろん、目に見えないほどの大きさの皮膚片などが落ちている靴の中も、繁殖の適地と言える」とし、対策の必要性を指摘する。
具体的には、最低1日は空けて2足以上の靴を使い回す。帰宅後は靴の中を乾燥させるため、丸めた新聞紙や乾燥剤を翌日まで入れておく。特に冬場の雪道やぬかるみを歩いた際には、より一層乾燥を心がけたい。
特に注意が必要なのが断熱性や保温性が高いブーツだ。特に爪先部分は空気に触れにくく、湿気や熱がこもりやすい。奥まで乾燥剤などを入れ、2足以上を履き回すように心がけるなどの対策が有効だ。楠医師は「最近はブーツ専用の乾燥機も登場している、普通の靴よりも一層の乾燥対策が必要です」と話している。(喜多壮太郎・鈴木豊)
- 1
- 2
(2019/02/03 12:40)