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「歯ヨガ」は、かむ、飲み込む、話すなどに使う口周りの筋肉(口腔=こうくう=筋)をバランス良く動かせるよう、マッサージと体操を組み合わせたもので、口腔機能の改善を目指す。「歯ヨガ」を考案した小島歯科医院(大阪府貝塚市)の小島理恵副院長は「口腔筋機能が低下する高齢者だけでなく、子どもやストレスからの歯ぎしりが気になる方にも勧めています」と話す。
口腔のマッサージと体操から成る歯ヨガ。体操には四つのステップが
▽口腔マッサージと体操
口腔筋機能が低下すると、歯並びや滑舌(かつぜつ)が悪くなる、顎(がく)関節症や歯ぎしり、さらに頭痛や肩凝り、誤嚥(ごえん)性肺炎など全身の健康に影響が及ぶこともある。口腔筋機能が衰え、かみにくくなる、むせが多くなるという状態をオーラルフレイルと呼ぶ。食事がしづらくなるため栄養状態が悪化し、全身の筋力が衰え、全身の機能も低下する。
「低下した口腔筋機能を改善させオーラルフレイルを防ぐことが、健康寿命の延伸につながると考えました」と小島副院長は歯ヨガ考案の経緯を説明する。
歯ヨガは口腔のマッサージと体操から成る。マッサージは、かむ時に使う咬(こう)筋という筋肉の凝りをほぐし、唾液腺を刺激するなど数パターン。体操のステップは四つ。〔1〕鼻呼吸で息を吸いながら頬をすぼめ、吐きながら膨らませる動作を10回〔2〕口を閉じて舌を唇と歯の間に入れ、左右5~20回ずつゆっくり回す〔3〕口を横に大きく広げながら「りー」、次に舌が歯に付かないように前に突き出して「えー」の発声を10回〔4〕舌を上顎にぴったり吸い付けて離し音を鳴らすポッピングを10回と、吸い付けキープを100秒。
口腔筋機能が改善すると、唾液が増え鼻呼吸になる。すると免疫力が向上し、全身の健康にもつながるという。
▽子どもにも有効
「食事や姿勢など生活習慣の影響で、口腔筋機能が低下している子どもが増えています」と小島副院長は危惧する。治療した子ども(5~11歳)の約9割は、安静時に舌が下顎にある低位舌という。健康につながる鼻呼吸ではなく、口呼吸の子どもが目立った。そこで、毎日の歯ヨガトレーニングを勧めたところ、舌が上顎に付き、鼻呼吸ができるようになり、気道が広がったことがレントゲン写真で確認できた。鼻炎やぜんそくが出にくくなった子どももいたという。
「口腔筋機能の低下は、虫歯や歯周病、歯並びの悪化、歯ぎしり、さらには全身の健康にも影響します。免疫力アップのためにも、高齢者に限らず、どの年代の方も、ぜひ歯ヨガに取り組んでみてください」と小島副院長は強調する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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