治療・予防

1日5分の体操で解消―緊張型頭痛
習慣化して継続(よみうりランド慶友病院 荒木信夫副院長)

 頭全体が重苦しい、あるいは締め付けられるように痛む「緊張型頭痛」。慢性頭痛の中で最も多く、国内に2000万人以上いると推計されている。痛みの原因となる筋肉の緊張を体操でほぐすと、頭痛の予防や改善が期待できる。埼玉医科大学名誉教授で、頭痛治療に詳しいよみうりランド慶友病院(東京都稲城市)の荒木信夫副院長に聞いた。

1日5回、時間を決めると続けやすい

 ▽筋肉の緊張緩める体操

 緊張型頭痛は、側頭部や首の後ろ、肩から背中にかけての筋肉が緊張して生じた凝りや張りによって起こると考えられている。同じ姿勢を長時間続けたり、姿勢が悪かったりすることで、筋肉が緊張しやすくなる。

 そのため、緊張した筋肉を緩める体操が、緊張型頭痛には有効だ。腕振り体操と肩回し体操を1回1分程度、1日5回を目安に行う。「緊張型頭痛の方には、薬の服用より、まず体操に取り組むことを勧めています。実際に症状が和らいだり、頭痛の頻度が減ったりして、薬を飲まなくても済む患者さんもいます。頭がちょっと重たく感じたら、すぐに体操してみるといいでしょう」と荒木副院長は話す。

 ▽片頭痛の予防効果も

 頭痛体操には、片頭痛の予防効果も期待できるという。片頭痛には、脈を打つようなずきずきした頭痛、動くと悪化する、吐き気を伴う、音や光に敏感になる―などの特徴があり、緊張型頭痛と区別がつきやすい。ただし、片頭痛の発作時に体操をすると、かえって症状が悪化する。「もし体操で頭痛が強まったら、片頭痛が起きている可能性があるので、すぐに中止してください」と荒木副院長。

 また、肩凝りがあるのは緊張型頭痛と思い込んでいる人がいるが、片頭痛でも強い肩凝りを伴うことは多いという。荒木副院長は「肩凝りの有無で、頭痛のタイプを自己判断しないように」と注意を喚起する。さらに「緊張型頭痛と診断された方は頭痛体操の継続が大事です。三度の食事の前、おやつの前、寝る前など、時間を決めて習慣化すると続けやすいでしょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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