治療・予防 2024/11/14 05:00
タンパク質、適量の把握を
~効率的に摂取するには(神奈川県立保健福祉大学大学院 鈴木志保子研究科長)~
睡眠中に無意識に排尿するおねしょ(夜尿)。主に子どもで見られるが、脳やぼうこうの成長に伴って減っていき、通常は4歳ごろまでになくなる。ところが、大人になっても続いたり、始まったりするケースがある。大人の場合、神経系やぼうこうなどの病気が原因として潜んでいることもあるため注意が必要だ。一人で悩まず、医師に相談してほしい。
大人の夜尿症の原因
▽大人でも珍しくない
日本医科大学付属病院泌尿器科の戸山友香助教は「夜尿が5歳以上になっても続く場合は病的と考えられます。5歳以降で1カ月に1回以上の夜尿が3カ月以上続いている場合を夜尿症と呼び、治療が必要とされます」と説明する。
戸山助教によると、夜尿症は就学前の5~6歳で約20%、小学校低学年で約10%、10歳を超えても5%前後に見られるとの報告がある。「中学生になると1~3%に減りますが、中には大人になっても持続する人がいます。成人における頻度は0.5~2%、つまり50人~200人に1人は完全にはなくならない計算になります。大人の夜尿症は決して珍しくないのです」と戸山助教。
重大な病気が隠れている場合もある。原因になり得るのは、糖尿病性神経障害、背骨を通る神経の管が狭くなる腰椎脊柱管狭窄(きょうさく)症、うつ病、過活動ぼうこう、前立腺肥大症、便秘などさまざまだ。
▽恥ずかしがらず受診を
小児期から夜尿症が続いている大人の患者には、まず飲酒制限や便秘対策、就寝前の飲水制限や就寝直前の排尿を習慣付けるなどの生活指導を行う。効果が不十分な場合はアラーム療法と薬物療法による治療が行われる。
アラーム療法とは、センサーをパンツに取り付け、尿の水分を感知するとアラームが鳴る装置を用いる治療法だ。夜尿後すぐにアラームで知らせて本人に認識させ、それを繰り返すことにより、尿意があると起きてトイレに行けるようになる。薬物治療では抗コリン薬、β3作動薬などが用いられる。男性患者には抗利尿ホルモン薬のデスモプレシンも使われる。
一方、大人になってから夜尿症を発症した患者は、前立腺肥大症や過活動ぼうこうなど別の排尿障害が原因である場合が多いため、その原因疾患に対する薬物治療が優先され、並行して生活指導が行われる。
また、日常生活では水分を取る時は少しずつ、就寝3時間前は水分摂取を控え、体を冷やさないなどの工夫も大切だという。「悩んでいる人は恥ずかしがらずに泌尿器科を受診してほしい」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/02/08 05:00)
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