夜尿症〔やにょうしょう〕 家庭の医学

 5歳を過ぎてもおねしょをくり返すのを夜尿症といいます。一般的に、2歳なかばまでには、膀胱(ぼうこう)に尿がいっぱいたまったのが感じられるようになり、おむつがとれるようになります。
 しかし、3~4歳ごろまでは、まだ尿をがまんする力は弱く、夜はもちろん、昼間でも尿を漏らしてしまうことがよくあります。おねしょをするのはふつうのことです。

[原因]
 赤ちゃんのときからずっと夜尿が続いている一次性夜尿と、一度おさまったのに、また夜尿をするようになった二次性夜尿があります。
 一次性夜尿は、膀胱のはたらきや、睡眠中の排泄(はいせつ)を調節する機能が未熟であったり、尿を減らすホルモン分泌の調節がわるい場合が考えられます。
 二次性夜尿の多くは、心理的要因によると考えられます。また、糖尿病尿崩症などの病気でも夜尿が起こることはあるので、よくのどがかわいて水分をたくさんとるような場合は検査も必要です。

[治療]
 一般的な対応として、夕食後の水分をとらないようにし、塩分を控えめにし、就寝前に十分排尿させ、からだやふとんをあたためて寝ます。夜、起こして排尿させるのは1回までにします。起こしても、自分で起きられるようにならないと、あまり効果はありません。しかっても、夜尿にはまったく効果がなく、かえって劣等感をもったり自信を失ったりして逆効果です。気にしないよう安心感をもたせるようにしましょう。
 子どもが9歳以下の場合はあせらないで、一般的対応のみにします。成長とともに治まってくることも期待されます。10歳以上では、薬物療法をおこなうことも可能です。膀胱機能を調節する薬や、尿量が多いタイプには尿を減らすホルモンの薬があり、続けての使用や、宿泊学習のときなど一時的な使用もできます。尿が漏れたら音や振動で目覚めさせるアラームシーツがあります。この装置を使っていると、やがて尿意を感じただけで目がさめるようになります。

【参照】こころの病気:夜尿症

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