治療・予防

妊活中のED
薬を上手に利用するのも手(浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長)

 子づくりのストレスから勃起不全(ED)に悩む男性は少なくない。安心して「妊活」に専念するにはED治療薬を上手に活用するのも一つの方法だ。EDを専門とする浜松町第一クリニック(東京都港区)の竹越昭彦院長に聞いた。

治療薬の処方は信頼できる医療機関で

 ▽義務的性交にストレス

 EDとは、満足な性交を行うのに十分に勃起しない状態を言う。通常、性的な刺激を受けると、脳の興奮が男性器に伝わり、陰茎海綿体の動脈が拡張して、大量の血液が流れ込むことで勃起する。海綿体に血液が十分に送り込まれないと勃起が不十分となりEDになりやすくなる。「EDにはいろいろな症状がありますが、性交中に陰茎がなえるケースが多いです」と竹越院長。

 同クリニックは今年(2020年)3月に、特定のパートナーがいて妊活中または妊活経験がある20~40代の男女約1200人を対象にインターネット調査を実施。その結果、男性のおよそ3人に1人が妊活中にEDを自覚していることが分かった。

 EDの原因には、〔1〕血管や神経の障害〔2〕精神的なストレス〔3〕抗うつ薬などの服用―などがある。20~30代では子づくり目的の義務的な性交が原因の精神的ストレスによるEDが、40代以上では高血圧糖尿病など生活習慣病の影響によるEDが多いという。

 ▽薬は偽造品に要注意

 同クリニックのED治療は、海綿体への血液流入を促すシルデナフィル(商品名・バイアグラ)などによる薬物療法が主体だ。症状や生活スタイルなどに応じて標準型、即効型、長時間型を使い分ける。

 先の調査では、男女とも約半数が、EDの治療薬が精子や胎児に何かしらの影響を及ぼすと考えていた。竹越院長は「EDの治療薬はシンプルに血管を拡張させる薬であり、安全面でもほとんど問題ありません。ただし、催淫剤や性欲増進剤ではないので、性的刺激が必要です。性的興奮が正常に起こればEDは治まります」と説明する。

 さらに、竹越院長は「ED治療薬の使用に際して、心臓や脳血管に持病がある人は主治医に相談してください。また、不純物を含む偽造品が出回っており、中には正規品と見分けがつかないものもあります。信頼できる医療機関を選んで処方してもらうことが大切です」と注意を促している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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