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排尿回数が多い(頻尿)、尿意を我慢できない(尿意切迫感)、尿がたくさんたまった時にぼうこうが痛む。そんな症状が長く続き、泌尿器科にかかっても良くならない場合、間質性ぼうこう炎を疑うべきかもしれない。東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)泌尿器科の古田昭診療医長(准教授)に聞いた。
▽間違った診断も
間質性ぼうこう炎では、夜間を含む頻尿、尿意切迫感、ぼうこうの痛みや不快感などの症状が見られる。古田医師は「頻尿は約9割、尿意切迫感は約6割の患者さんで見られます。排尿回数は通常1日6回程度ですが、間質性ぼうこう炎になると15回以上に増える人も少なくありません」と説明する。
「頻尿や尿意切迫感が表れる泌尿器科疾患としては、過活動ぼうこうや細菌性ぼうこう炎が知られ、患者さんの数も多いです。それらの病気と間違って診断、治療され、症状が良くならないケースが多いようです」。泌尿器科医の間でもまだ十分認識されていない病気という。
▽薬の治療も可能に
2019年に診療指針が作られた。「他の病気ではないことが確認され、尿道から行うぼうこう鏡検査で、粘膜に特有の炎症病変(ハンナ病変)が認められるものをハンナ型間質性ぼうこう炎、同様の症状があっても粘膜に異常がないものはぼうこう痛症候群と分けて呼ぶことになりました」。いずれも女性に多いが、ハンナ型間質性ぼうこう炎は閉経後の60歳代が目立つという。重症の場合は国の難病に指定され、治療費の助成が受けられる。
「ぼうこう痛症候群は有効な治療法がありませんが、ハンナ型間質性ぼうこう炎では、ぼうこうを水圧で拡張する治療が健康保険で認められています。さらにその際、内視鏡でハンナ病変を電気的に切除するか焼く治療を追加します。それで1~2年は症状が治まります。また、最近はジムソという薬を注入する治療も健康保険でできるようになりました」
古田医師は「精神的ストレスを避けること、経験的に症状を悪化させると思われる食べ物を避けることも大切です」とアドバイスする。間質性ぼうこう炎に詳しい泌尿器科医は、日本間質性膀胱(ぼうこう)炎研究会のウェブサイトで紹介されている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/12/04 05:00)
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