治療・予防

男性や高齢者に多いぼうこうがん
サインは血尿、見つけたら受診を(がん研究会有明病院泌尿器科 米瀬淳二部長)

 高齢の男性に多く、国内で年間2万人以上の発症者がいるぼうこうがんの早期発見のポイントや治療などについて、がん研究会有明病院(東京都江東区)泌尿器科の米瀬淳二部長に聞いた。

ぼうこうがんは喫煙者に多い。禁煙は必須

 ▽喫煙が危険因子

 発症率は男性で高く、女性の3倍以上。喫煙に関係しており、喫煙者は非喫煙者の約3.5倍も発症しやすいとの報告がある。米瀬部長は「たばこの発がん物質が濃縮されて尿中に排せつされ、ぼうこう粘膜が慢性的に発がん物質にさらされるためと考えられています」と説明する。加齢も要因の一つで、60歳以降に急増する。

 目に見える血尿は分かりやすいサインだが、痛みはなく、翌日には消えることが多い。「すぐ消えるので放置し、2~3カ月後にまた出る。これを繰り返して、やっと受診というパターンが目立ちます」

 特に高齢者や喫煙者は、1回でも血尿が出たらすぐに泌尿器科を受診することが勧められる。血尿は目で見て分からない場合もあるので、健康診断などで定期的に尿検査を受けることも重要だ。

 ▽広がる治療の選択肢

 泌尿器科では、主に尿検査による尿細胞診と超音波検査を実施する。ぼうこうがんが疑われれば、内視鏡などで精密検査を行う。患者の約4分の3は早期がんの段階で診断される。

 治療は一般に、がんの深さや悪性度を調べ、まず経尿道的切除術(TURBT)を行う。尿道からぼうこうに内視鏡を入れ、がんを切除し組織を調べる。早期がんなら、TURBTで治療終了になることもある。また、再発予防のために、抗がん剤や免疫の働きを高めるBCGを注入する治療が行われることもある。

 一方、がんがぼうこう内の粘膜下層より深い「筋層」に達していたり、筋層を越えて広がっていたりする場合(局所進行がん)には、ぼうこうと前立腺、精嚢を切除する全摘除術が行われる。「最近では、おなかに小さな穴を数カ所開ける腹腔(ふくくう)鏡手術が増えてきました。2018年に健康保険が適用されたロボット支援腹腔鏡下手術(ダヴィンチ)も急速に広まっています」と米瀬部長。局所進行がんでも、ぼうこうを切除せずに済むケースもあるという。

 米瀬部長は「ぼうこうがんは、早期がんでも再発しやすいので、治療後も定期的な通院が重要です。予防策としては、なにより禁煙が必須です」と強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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