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喉の腫れを伴うPFAPA症候群は耳鼻咽喉科などで反復性の扁桃(へんとう)炎などと診断されるケースもある。東京医科歯科大学医学部付属病院小児科の森尾友宏科長は「病名を知らない人は少なくありませんが、思っている以上に患者は多いです。お子さんがしょっちゅう高熱を出す場合は小児科を受診してください」と呼び掛ける。
当てはまるものがある場合は小児科で相談を
▽思春期までに自然治癒
PFAPA症候群は39度を超える3~6日間の高熱を3~8週間ごとに規則的に繰り返すのが特徴だ。多くは5歳未満で発症し、細菌性の扁桃炎や咽頭炎と区別がつきにくい。毎月のように高熱を出す、せきや鼻水などの風邪症状が見られない、抗生物質が効かないなどがPFAPA症候群を疑うきっかけになる。
「PFAPA症候群であれば、ステロイド薬を1~2回内服すると、すっと熱が下がります」と森尾科長は説明する。ステロイド薬は治療の切り札になるとともに、PFAPA症候群を診断する上でも重要なポイントになるという。
発熱までの間は無症状で、発症から8年ほどたつと自然に治るのもこの病気の特徴だ。発育や発達に影響はないが、子どもにも親にも負担が大きい。学校をたびたび休むことで学業の遅れなどの問題も出てくる。
▽熟考して治療選択を
発症は免疫との関連が指摘されているが、詳しい原因は解明されておらず、現時点では治療法も確立されていない。ステロイド薬の解熱効果は高いが、時に発熱と発熱の間隔が短くなるデメリットがあり、処方をためらう医師もいるという。
病気そのものを治す効果が高いのは扁桃の摘出手術だ。子どもや家族の生活の質が大きく損なわれているときの選択肢になるが、「PFAPA症候群はいずれ治る病気なので、手術は慎重に検討してほしい」。
ほかには、予防的な治療として胃酸抑制薬のシメチジンやアレルギー治療薬のロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられることもあるが、効果はまちまちだという。
「治療は、お子さんの症状や生活への影響などを考慮して選択することが大切です」。ただし、症状をコントロールできない場合には、かかりつけ医に専門の医療施設を紹介してもらうよう勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/12/26 05:00)
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