治療・予防

原因不明の小児難病―若年性特発性関節炎 
治療を変えた生物学的製剤

 若年性特発性関節炎(JIA)は、16歳未満の子どもに発症する原因不明の関節炎だ。関節の炎症が6週間以上続き、痛んだり腫れたりして動かしにくくなる。京都府立医科大学付属病院小児科の秋岡親司医師は「骨の成長に影響が出ることもあります」と話す。

タイプにより発症時期にも違いが

 ▽7タイプに分類

 JIAは、16歳未満の子ども1万人当たり1人に見られ、症状などにより〔1〕全身型〔2〕少関節炎型〔3〕リウマトイド因子陰性多関節炎型〔4〕リウマトイド因子陽性多関節炎型〔5〕乾癬(かんせん)性関節炎型〔6〕付着部炎関連関節炎型〔7〕分類不能型―の7タイプに分けられる。

 リウマトイド因子とは、大人のリウマチ患者の血液中によく見られる自己抗体の一つ。ただし、大人と違ってJIAでの陽性率は低い。

 JIAの症状はタイプにより異なる。「全身型」は、関節の炎症に2週間以上の発熱を伴う。だるさが強く、特有の発疹やリンパ節、肝臓、脾臓(ひぞう)の腫れが生じることがある。

 「少関節炎型」は、関節炎が最初の6カ月に1~4カ所に表れる。膝などの大きな関節に見られる。「リウマトイド因子陰性および陽性多関節炎」では、主に指や手首など5カ所以上の関節に炎症が見られる。「乾癬性関節炎型」は乾癬という皮膚の病気に伴う関節炎で、「付着部炎関連関節炎型」とともに脊椎に炎症が起こり、首や腰が曲がりにくくなることが多く、痛みが非常に強い。「日常生活に支障が出るほどです」と秋岡医師。

 ▽早期治療で社会性維持

 JIAの診断は、痛みや腫れのある場所を確認し、血液検査、超音波検査などを行い、タイプを見極める。

 治療はタイプごとに行われ、大きくは「全身型」とそれ以外に分けられる。「全身型」ではステロイドが中心で、炎症が落ち着けば、使用量を減らしていく。症状が改善しない場合や、減らすたびに炎症が再燃するケースでは生物学的製剤を用いる。「全身型」以外では抗リウマチ薬のメトトレキサートを主体に、エタネルセプトやアダリムマブ、アバタセプトなどの生物学的製剤を使う。また、幼児期に「少関節炎型」を発症した場合は、ぶどう膜炎という目の炎症を合併することもあるので眼科での定期検診が必要になる。

 症状が成人期まで持ち越されるケースもあるが、生物学的製剤が使われるようになり、関節の変形などを最小限に抑えることができるようになっている。

 秋岡医師は「痛みが強いと、子どもは家に閉じこもりがちになります。社会性を失わせないためにも、早期に気付き、正しくタイプ分けをして治療を始めることが重要です」と強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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