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花粉症に合併して表れる花粉・食物アレルギー(PFAS)は花粉症患者の一部に発症し、子どもから大人まで年齢層は幅広い。国立病院機構相模原病院(相模原市)臨床研究センターの海老沢元宏センター長は「食物によっては、全身症状(アナフィラキシー)を起こすこともあります」と注意を呼び掛ける。
予防のためにも原因となる花粉と食物の特定を
▽口のかゆみや腫れ
PFASが花粉症とつながっていることを知らない人は多く、果物や野菜を生で食べると発症する。症状は唇や口腔(こうくう)内、喉のかゆみやイガイガ、腫れなど。
花粉症と聞くとスギやヒノキを連想しがちだが、他にもカバノキ科(ハンノキ、シラカバ)、イネ科(オオアワガエリ、カモガヤ)やキク科(ブタクサ、ヨモギ)などの花粉症もリスクになる。
海老沢センター長は「カバノキ科で発症する人は、バラ科(リンゴやモモなど)やマメ科(大豆など)、イネ科とブタクサはウリ科(メロンやスイカなど)、ヨモギはセリ科(セロリやニンジンなど)の食物でアレルギーを起こしやすいことが知られています」と説明する。
原因は、花粉症を起こすタンパク質(抗原)とよく似た構造の抗原が果物や野菜に含まれているためだ。一度発症すると関連する他の食物にも反応しやすくなる。「日本では、カバノキ科花粉のPR―10や、イネ科やブタクサのプロフィリンという抗原によるPFASが多いです」
▽医療機関で検査を
症状は通常口腔内だけだが、例外もある。近年、モモのアレルギーから見つかったGRPという抗原は、皮膚症状や呼吸困難に陥るアナフィラキシーを起こしやすく、ヒノキ花粉にも反応することが分かった。
また、ハンノキ花粉に反応する豆乳アレルギーも、アナフィラキシーを起こしやすい。「通常、加熱や胃酸でアレルギーは起こりにくくなりますが、豆乳(大豆)に含まれるGly m4という抗原は加熱しても壊れにくく、重篤な症状を来すことがあります」
症状が口腔内だけなら、抗ヒスタミン薬の服用で症状は治まるが、豆乳やモモでアナフィラキシーを起こした場合は、アドレナリンの自己注射(エピペン)の処方を受ける必要がある。
海老沢センター長は「花粉の飛散時期は、PFASも悪化しやすくなります。予防には、原因となる花粉と食物の特定が大事。自己判断せず、医療機関で検査を受けてください」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/02/16 05:00)
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