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主に夏に流行する感染症の一つに手足口病がある。患者の多くは乳幼児だが、子どもからの感染で大人が発症することもある。サニーガーデンこどもクリニック(東京都港区)の首里京子院長に、症状や家庭内感染を防ぐポイントを聞いた。
予防には感染経路を断つことが大事
▽手のひらや足裏に
手足口病の特徴的な症状は〔1〕手のひらや足の裏、口腔(こうくう)内、咽頭にできる水胞状発疹〔2〕38度台の発熱―だ。発疹はかゆみや歩行困難な痛みを伴うケース、臀部(でんぶ)に見られるケースもある。通常は数日で解熱し、発疹も徐々に消失する。
原因はコクサッキーウイルスA6およびA16、エンテロウイルス(EV)71など複数ある。異なるウイルスに感染すると、繰り返し発症することになる。
発疹などの目に見える症状に驚く人も多いが、頻度と重症度は関係しない。症状が出ないケースがある一方、感染するウイルスの種類によっては、まれに重症化するケースもある。特にEV71に感染すると症状が強まり、他の感染症あるいは髄膜炎、脳炎などを合併しやすくなる。
「熱が4~5日過ぎても下がらない、嘔吐(おうと)する、食事と水分が取れずぐったりしているなどの症状があれば、早めに受診してください」と首里院長。
▽感染経路を断つ
主な感染経路は、飛沫(ひまつ)と接触だ。原因ウイルスに対する抗体を持たない乳幼児の間で感染が広がりやすいが、一度抗体ができた大人でも、時間とともに抗体の働きや量が低下すると感染しやすくなる。
発症した子どものくしゃみなどによる飛沫、鼻水や便などから、家庭内感染する大人も多い。特に、夏バテなどで体力が落ちていたり、糖尿病などで免疫機能が低下していたりすると、感染リスクが高くなるので注意が必要だ。
特別な検査や治療法はなく、症状から診断されて対症療法が行われる。「大人が受診する場合は、内科がいいでしょう」
予防法は感染経路を断つこと。家庭内に患者がいる場合は、マスクをし、手をよく洗うことがポイントだ。タオルや食器の共用は避けた方がよい。
なお、口腔内の発疹が治まれば飛沫感染のリスクは下がるが、症状が落ち着いても便中には1カ月程度ウイルスが排出される。「おむつ替えのときは特に注意が必要。替えた後は入念に手洗いをしてください」と首里院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/06/10 05:00)
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